調剤薬局の掲示物・ウェブサイトへの掲示事項

2024年の調剤報酬改定で、薬局の掲示物がウェブサイトにも掲示することになりました。

ただ、すべての掲示物ではなく、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則に記載されている

(掲示)
第二条の四 保険薬局は、その薬局内の見やすい場所に、別に厚生労働大臣が定める事項を掲示しなければならない。

保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則

ということになっています。

1. 別に厚生労働大臣が定める事項

じゃあ、別に定める事項って何?ってなると、「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」という告示がありまして

第十三 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(以下「薬担規則」という。)第二条の四及び療担基準第二十五条の四の保険薬局に係る厚生労働大臣が定める掲示事項

一 調剤点数表の第2節区分番号10の2に掲げる調剤管理料及び区分番号10の3に掲げる服薬管理指導料に関する事項

二 調剤点数表に基づき地方厚生局長等に届け出た事項に関する事項

三 薬担規則第四条の二第二項及び第四条の二の二第一項並びに療担基準第二十六条の五第二項及び第二十六条の五の二第一項に規定する明細書の発行状況に関する事項

四 薬担規則第三条第四項及び療担基準第二十六条第四項に規定する体制に関する事項

第十三の二 薬担規則第四条の二第二項及び療担基準第二十六条の五第二項に規定する明細書を交付しなければならない保険薬局

療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令第一条の規定に基づき電子情報処理組織の使用による請求又は附則第三条の二の規定に基づき光ディスク等を用いた請求を行っている保険薬局(同令附則第三条の四第一項、第三条の五第一項又は第四条第一項若しくは第二項の規定に基づき書面による請求を行うことができる保険薬局を除く。)

第十三の二の二 薬担規則第四条の二の二第一項及び療担基準第二十六条の五の二第一項の厚生労働大臣の定める公費負担医療

療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令第一条第一項各号に掲げる医療に関する給付(当該給付に関する費用の負担の全額が公費により行われるものを除く。)

療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等

となっています。

また、それ以外にも個人情報に関する事項や医療DX 推進体制整備加算の掲示など、結構多くの掲示が必要になります。

そして、これらのものをウェブサイト上に出しておく必要があるわけです。

2. 具体的には?

今現在薬局で掲示しているものをすべてウェブサイトでも載せてしまえば、問題ないと思います。
まぁ、それだとウェブサイトに掲示しなくてもいいものまで載せてしまうことになりますが、ウェブサイトでは載せるスペースを気にしなくて済むので、それでもいいんじゃないかなと思っています。

また、算定している加算によってもウェブサイトに載せるものが変わってきますので、そこは自分の薬局の状況に合わせて行うことになります。

2.1 掲示物

以下の掲示が必要になります。

  1. 薬局開設許可
  2. 麻薬小売業者免許
  3. 保険薬局の表示
  4. 労災保険の表示
  5. 取り扱い公費の表示
  6. 薬局の管理・運営に関する表示
  7. 要指導医薬品及び一般用医薬品の販売に関する制度に関する事項の表示
  8. 個人情報保護に関する基本方針(セキュリティポリシー)
  9. 個人情報の利用目的
  10. 調剤管理料・服薬管理指導料に関する表示
  11. 特掲診療料の施設基準に関する表示
  12. 明細書発行に関する表示
  13. オンライン資格確認体制に関する表示
  14. 評価療養、患者申出療養又は選定療養の内容及び費用に関する表示
  15. 居宅療養管理指導に関する表示(運営規程、サービス事業者など)
  16. 後発医薬品調剤体制加算を積極的に行っている旨の表示
  17. 後発医薬品調剤体制加算を算定している旨の表示
  18. 調剤報酬点数表
  19. 夜間・休日加算、時間外・休日・深夜加算の表示
  20. 容器代等に関する表示
  21. 薬剤師不在時間の表示
  22. 地域連携薬局等の表示
  23. 医療情報取得加算の表示
  24. 医療DX 推進体制整備加算の表示

かなりありますね。
この中の11項「特掲診療料の施設基準に関する表示」については、算定している加算によって、掲示するものが増えますので注意が必要です。
例えば、かかりつけ薬剤師や無菌調剤の加算を取っている場合は、それらの表示が必要になってきます。

上記以外に、2024年10月からは長期収載品の保険給付(ざっくり言うと、昔からある先発品と後発品の差額分を自費負担とするもの)が始まる予定ですので、その際にはその内容を掲示しなければなりません。

2.2 ウェブサイトへの掲載物

ウェブサイトには上記すべてを載せる必要はないのですが、みんな載せても問題はありません。
ネット上なら、物理的なスペースの問題はありませんしね。
ただ、更新・修正などのメンテナンスはきちっとやる必要があります。

  1. 調剤管理料・服薬管理指導料に関する表示
  2. 特掲診療料の施設基準に関する表示
  3. 明細書発行に関する表示
  4. オンライン資格確認体制に関する表示
  5. 評価療養、患者申出療養又は選定療養の内容及び費用に関する表示
  6. 医療情報取得加算の表示
  7. 医療DX 推進体制整備加算の表示
  8. 連携強化加算の表示

それ以外に、ウェブサイト上で問い合わせフォームとかを用意するのであれば、個人情報保護関係のページは用意しておいた方がいいでしょう。

3. まとめ

薬局の掲示物については、多くの種類があります。
ですが、それぞれを1枚ずつ作る必要は無く、関連するものは1枚にまとめてしまっても問題ありません。

例えば、掲示物の16項・17項なんかはまとめたほうが分かりやすくなるかもしれません。

あなたの薬局の掲示スペースを考慮して、準備してみてください。

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