小規模・個人薬局でオンライン服薬指導を行うには?
連携強化加算を算定するには、様々な要件をクリアする必要がありますが、その中の一つにオンライン服薬指導への対応があります。
このオンライン服薬指導ですが、個人薬局のような小さな薬局にはちょっと敷居が高いです。
でも、そこがどうにかできれば、+5点の連携強化加算を取れるかもしれません。
オンライン服薬指導とは
オンライン服薬指導は、パソコンやスマホを使って、ネットを通して服薬指導を行うことです。
これは、電話での指導ではダメで、映像が伴わないといけません。
そのため、たいていはシステムを導入して、オンライン服薬指導を行うことになります。
ですが、個人薬局では、たいして使わない(と思われる)オンライン服薬指導のために、月数千円~1万円くらいの金額を払うのはちょっと・・・と思ってしまいますよね。
システムで出来ること
オンライン服薬指導のシステムはいくつかありますが、たいていは以下のような機能を持っています。
予約機能 | 患者から予約を受け付けたり、ビデオ通話の日時を設定し、患者に実施日時やメッセージ、ビデオ通話のURLなどを送信。 |
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ビデオチャット機能 | オリジナルアプリやLINEなどを通じて、ビデオ通話ができる機能。 |
クレジット決済機能 | オンラインでクレジット決済を行う機能。 |
服薬フォローアップ機能 | 服薬期間中にメッセージなどを送ることで、患者へのフォローを行う機能。 |
これ以外にも便利な機能を持っていたり、服薬フォローアップは無いとか、そういうシステムもあります。
システムで便利なのは、患者からの予約を受けたり、ビデオ通話をするのに面倒な手順が不要ということやクレジット決済機能があることでしょう。
これらの機能をシステムではなく、作業の流れとして行うとすると結構面倒かもしれませんし、クレジット決済は決済サービスを利用しないと対応できないと思われます。
では、個人薬局では?
ただ、利用者がどの程度いるかも分からない個人薬局では、システムの導入はためらってしまうのではないでしょうか。
特に門前病院がオンライン診療には対応していないような場合、オンラインで服薬指導を希望する患者がいるのか?という疑問が出てくるでしょう。
でも、連携強化加算を算定したいのであれば、オンライン服薬指導に対応しなければいけません。
では、どうしたらいいでしょうか?
オンライン服薬指導を簡単に行う方法
簡単に・・・と言っても、ちょっと手間かもしれませんが、個人薬局でも行う方法があります。
この方法を、仮に「簡易システム」と呼びましょう。
オンライン服薬指導の受付
オンライン服薬指導を受け付けるには、システムでは予約機能で行いますが、簡易システムでは、ホームページ上に申し込みフォームを作って、それで受け付けます。
申し込みフォームからであれば、メールアドレスも取得できますから、氏名や電話番号などを入力してもらい、その情報でメールでやり取りすれば予約や薬の確認などもできます。
必要であれば、処方箋を画像として受け取ることも可能です。
服薬指導の実施
服薬指導を実施する際には、ZOOMなどのビデオ通話システムを利用します。
ZOOMであれば、40分であれば無料で使用できますので、服薬指導にはぴったりの時間ではないでしょうか。
もちろん、セキュリティには注意が必要です。
また、本人確認も、カメラに向けて身分証明書を提示してもらえば確認できますし、相手もスマホがあれば服薬指導を受けることができるので、簡易システムにはぴったりですね。
支払い
支払いについては、「後で持ってきてね」と言ってもいいんですが、それだと不安でしょうがないですから、オンライン決済を導入します。
とは言っても、大ごとなシステムは入れません。
比較的簡単に導入できて、無料で使えるものを探してきましょう。
例えば
- PayPal
- Square
などが利用できます。
ただ、決済するときに、Squareであれば3.75%の決済手数料がかかりますので、その分手取り額は減ってしまいますが、この辺りは利用者が増えてきたときに検討しなおすのが良いでしょう。
利用者が増えてきた場合には、簡易システムではなく、オンライン服薬指導のシステムを導入したほうがメリットが大きいでしょうから。
薬の配送
薬の配送については、通常の業務で行っていることと同じようにすれば良いかと思います。
オンライン服薬指導では、配送料を患者からもらうことは認められているので、きちんと追跡のできる配送方法で行いましょう。
まとめ
上記のような「簡易システム」であれば、個人薬局でも比較的簡単にオンライン服薬指導を行うことができますので、連携強化加算を狙うことが可能です。
メールのやり取りやクレジット決済で多少面倒なのですが、そこも手順を作ってしまえば問題なくなると思います。
オンライン服薬指導ができないからと連携強化加算を諦めるのではなく、どうしたら加算が取れる体制を作れるかを考えてみてはいかがでしょうか。
薬局開設センター千葉では、そうした加算が取れる体制作りのご相談も受け付けています。

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