2024年調剤報酬改定でハイリスク加算が取れない薬局はどうすべきか?
2024年6月の調剤報酬改定でハイリスク加算の要件が変わりました。
そのため、今までハイリスク加算を算定してきた薬局でも、同じように算定できなくなったため、売り上げが落ちてしまっているところもあるかと思います。
そうした薬局では、どうしたらいいでしょうか?
改めて「ハイリスク加算」の算定要件とは
いわゆる「ハイリスク薬」を調剤・指導した場合に算定できる加算です。
今までは、ハイリスク薬が処方されていれば、指導を行って算定していたわけですが、6月からは
- (その患者にとって)初回の処方の場合
- 前回と用法・用量が異なっていたり、副作用の報告などで、改めて指導が必要な場合
に算定できるようになりました。
【特定薬剤管理指導加算1】
厚生労働省資料より
特定薬剤管理指導加算1
イ 特に安全管理が必要な医薬品が新たに処方された患者に対して必要な指導を行った場合 10点
ロ 特に安全管理が必要な医薬品に係る用法又は用量の変更、患者の副作用の発現状況等に基づき薬剤師が必要と認めて指導を行った場合 5点
[主な算定要件]
(1) 「イ」については、新たに当該医薬品が処方された場合に限り、算定することができる。
(2) 「ロ」については、次のいずれかに該当する患者に対して指導を行った場合をいう。
ア 特に安全管理が必要な医薬品の用法又は用量の変更に伴い保険薬剤師が必要と認めて指導を行った患者
イ 患者の副作用の発現状況、服薬状況等の変化に基づき保険薬剤師が必要と認めて指導を行った患者
(3) 特に安全管理が必要な医薬品が複数処方されている場合には、保険薬剤師が必要と認める薬学的管理及び指導を行うこと。この場合において、当該加算は処方箋受付1回につきそれぞれ1回に限り算定する。なお、「イ」及び「ロ」のいずれにも該当する場合であっても、重複して算定することはできない。
(4) 対象となる医薬品に関して患者又はその家族等に対して確認した内容及び行った指導の要点について、薬剤服用歴等に記載すること。
なお、従来と同一の処方内容の場合は、「ロ」として特に指導が必要と保険薬剤師が認めた場合に限り算定することができるが、この場合において、特に指導が必要と判断した理由と指導の要点を薬剤服用歴等に記載すること。
要件が厳しくなったことで、今までハイリスク薬が処方されていただけで、自動算定的に運用してきた薬局にとっては大幅に加算点数が減ることになります。
ある薬局での事例
7月になって、6月の調剤報酬の概要が見れるようになってきましたので、お手伝いさせていただいているある薬局(月処方箋枚数1000枚程度)ではどうだったのか、少しだけ紹介します。
前年6月との比較ですが
- 処方箋の枚数は、1,100枚ほどで、10%減
- ハイリスク薬の加算が、89%減
- 処方箋1枚当たりの金額は3%増
という結果でした。
様々な要因があるでしょうから、単純に上記の数字が調剤報酬改定の影響とは言えないかもしれないので、その点はご注意ください。
それを踏まえた上でも、ハイリスク薬加算が90%近く減っているのに対して、金額は3%上がっているのは、評価に値すると思います。
ちなみに、前年6月のハイリスク加算の件数は、300件以上でしたので、10件だったのが1件に減ったというようなレベルではないことは注記しておきます。
どんな対策をしたのか?
では、どうして売り上げの減少を抑えることができたのでしょうか?
実は、この薬局では薬局開設センター千葉のサポートにより、医療DX加算を算定しています。
それが全処方箋受付回数の8割以上に該当しています。
また、それ以外にもRMP資材を使った指導による特定薬剤管理指導加算3の算定など、できるだけ加算が取れるような対策を講じています。
その結果、1件当たりの調剤報酬が多少ではありますが増加する結果となったわけです。
ですから、もし、6月の調剤報酬の数字を見て、思うような数字が出ていないのであれば、何らかの対策を行うべきでしょう。
まとめ
薬局によって、調剤報酬の内訳は違いますので、今回の例がそのまま、あなたの薬局に適応できるかは分かりません。
それでも、調剤報酬が減ってしまうのを、黙ってみているのではなく、できる方策を行って減少幅を抑える対応をすべきです。
もし、お困りの場合は、薬局開設センター千葉にご相談ください。

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