門前薬局と面薬局
薬局を開きたいと思っているけど、店舗の場所はどこにしようか?
やっぱり病院の前がいいのかな?
門前薬局とは
病院を出たら、すぐ横に薬局があったり、道の向かいに薬局があったりしますよね。
こうした「病院のすぐそばにある薬局」のことを門前薬局と言います。
門前薬局は、その病院の患者さんが多く来ることから、その病院で処方される薬であれば、ほぼ用意されています。
そのため、患者さんにとっては、薬が無いといった事態を避けることができますし、隣の薬局に寄ればいいだけなので薬のもらい忘れもありません。
面薬局とは
町中になぜかポツンと存在する薬局を見たことはありませんか?
近くに病院があるのかな?と思っても、辺りには特に病院がある気配が無い。
そんな薬局が面薬局です。
そんな「ポツンと一軒家」のような薬局ですが、特定の病院の処方ではなく、地域の人たちに薬を届ける大事な薬局です。
病院に行った後に、薬を貰うのは荷物になって困るとか、そのあと予定があって、薬を持ち歩きたくないような場合に、自分の家の近くの薬局で処方箋を出して薬を貰いたいという場合に多くの人が利用します。
メリット・デメリット
門前薬局のメリット・デメリット
門前薬局のメリットは、何と言っても
ある程度の患者を見込める
ということです。
患者さんからしても、病院に行ったら薬を貰うというパターンが出来ているので、診察が終わったら隣の薬局で薬を貰うというのが自然な流れになっています。
そのため、病院の規模に合わせた患者数を見込むことができるので、薬局の経営も安定します。
さらに、特定の病院がメインとなるので、その病院の処方に合わせた薬剤を用意すれば間に合うことが多いので、在庫管理も楽になります。
デメリットとしては
扱う処方箋数や病院への依存率によっては、調剤基本料が下がる
ということが挙げられます。
ただ、それも大きな病院の門前でなければ、適用されないので気にならないかもしれません。
では、小さな病院の門前の場合に何がデメリットになるかというと
処方箋が来るかは病院次第なこと
でしょうか。
通常、病院と薬局は一体で経営されているわけではありません。(そういうところもあります)
そのため
病院が閉院したら、患者は来ない
ということがあり得ます。
閉院しなくても、院内処方に切り替えるということもあります。
これは実際にあった例ですが
長期に渡って、個人医院の門前薬局として協力してきたが
突然、何の相談も知らせも無く、院内処方に切り替えられた。そして、院内処方に変わったことを、たまたま他の病院の処方箋を持ってきた患者から聞いて知った。
という薬局があります。
特に病院とトラブルがあったわけでもなく、日常や季節の挨拶など、医師やスタッフとも良好な関係を持っていたと思っていた薬局側としては、まさに青天の霹靂という状態でした。
面薬局のメリット・デメリット
メリットとしては、特定の病院に左右されないので、薬局が地域に認知されれば、安定した経営ができるでしょう。
ただ、認知されて処方箋を持ってきてくれるようになるまでに時間がかかるかもしれません。
また、地域密着型になりますので、在宅支援などにより報酬を上げることも可能になるでしょう。
デメリットは、立ち上がりが遅くなるということです。
薬局があることを何年も知らない地域の人もいます。
そうした中で、門前ではなく家近くの薬局を利用してもらうためには、多少の工夫が必要になるかもしれません。
ただ、年齢層によっては、在宅などで売り上げをあげることが可能なので、かかりつけ薬剤師・在宅で安定した経営ができるようになると思います。
まとめ
門前薬局と面薬局。
そのどちらにもメリット・デメリットがあります。
門前薬局は、病院に左右される危険性がありますが、安定します。
面薬局は、立ち上がりは遅いですが、経営が安定すれば環境に影響されにくくなります。
どちらも一長一短がありますので、あなたがどんな薬局を作りたいのかということを意識して選んだ方がいいです。
在宅や地域連携などが重視されるようになってきましたので、調剤薬局を開くのに、病院のそばでないとダメということは無くなってきました。
地域貢献や在宅支援を見据えた薬局作りを考えるなら、門前にこだわる必要は無いかもしれませんね。

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