選定療養の準備。始めていますか?
10月から始まる医薬品の選定療養。
患者さんの中には、話を聞いたことがある人もいるようです。
あなたの薬局ではすでに加算を取り始めるなど、準備を進めていますか?
選定療養とは
10月から始まる医薬品の選定療養は
令和6年10月から後発医薬品(ジェネリック医薬品)があるお薬で、先発医薬品の処方を希望される場合は、特別の料金をお支払いいただきます。
特別の料金とは
先発医薬品と後発医薬品の価格差の4分の1相当の料金のことを言います。
例えば、先発医薬品の価格が1錠100円、後発医薬品の価格が1錠60円の場合、差額40円の4分の1である10円を、通常の1~3割の患者負担とは別に特別の料金としてお支払いいただきます。
後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
というものです。
要は、先発品使うと、支払う金額が高くなるよってこと。
これは、保険を持っている人であれば、子供のように公費適用されている人でも対象になります。
ただ、保険を持っていない「生活保護」の人は対象外です。
選定療養の準備
レセコンなどは、各メーカーが対応してくれるはずなので、特別な準備は必要ないのですが、スタッフへの教育・指導が必要になってきます。
選定療養について、患者さんから聞かれることも増えたり、会計の際に「いつもより高い!」と言われることも出てくるでしょう。
そうした時に、きちんと分かりやすく説明できるように、スタッフに対しても指導を行っておかないと、10月が来てから慌てることになってしまいます。
なので、9月の時点で、ポスターなどの掲示や投薬時に説明するなどして、今から準備しておきたいところです。
10月前でも加算が取れる
この選定療養の仕組みを説明して、ジェネリックへの切り替えを検討してもらうように説明すると
特定薬剤管理指導加算3「ロ」が取れます。
特定薬剤管理指導加算3ロは
「調剤前に医薬品の選択に係る情報が特に必要な患者に説明及び指導を行った場合」で
- 後発医薬品が存在する先発医薬品であって、一般名処方又は銘柄名処方された医薬品について、選定療養の対象となる先発医薬品を選択しようとする患者に対して説明を行った場合
- 医薬品の供給の状況が安定していないため、調剤時に前回調剤された銘柄の必要な数量が確保できず、前回調剤された銘柄から別の銘柄の医薬品に変更して調剤された薬剤の交付が必要となる患者に対して説明を行った場合
となっているので、1項の選定療養を説明した場合に該当しますから、加算の算定ができます。
これは、10月になる前でも可能なので、今から該当すると思われる患者さんに説明をすることで、加算の算定ができます。
ただし、初めて説明する場合の1回だけなので注意してください。
まとめ
選定療養の準備として、大事なことは2つ。
- スタッフに教育を行って、患者さんからの問い合わせにスムーズに対応できるようにしておくこと
- 今のうちから対象となりそうな患者さんに選定療養の説明を行って、特定薬剤管理指導加算3ロを算定しておくこと
ここをきっちり行っておくことで、必要な加算も取れてトラブルも少なく10月を迎えることができるようになるでしょう。

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