医療DX推進体制整備加算。何か忘れてはいないでしょうか?
2024年調剤報酬改定で新規に用意された医療DX推進体制整備加算。
今までは4点取ることができていましたが、私たちは、何か忘れてはいないでしょうか?
医療DX推進体制整備加算とは
オンライン資格確認により取得した診療情報・薬剤情報を実際に診療に活用可能な体制を整備し、
また、電子処方箋及び電子カルテ情報共有サービスを導入し、質の高い医療を提供するため医療DX
に対応する体制を確保している場合の評価を新設する。医療DX推進体制整備加算(調剤基本料) 4点/月
[施設基準]
(1)オンライン請求を行っていること。
(2)オンライン資格確認を行う体制を有していること。
(3)保険薬剤師が、電子資格確認の仕組みを利用して取得した診療情報を閲覧又は活用し、調剤できる体制を有していること。
(4)電磁的記録をもって作成された処方箋を受け付ける体制を有していること。(経過措置 令和7年3月31日まで)
(5)電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制を有していること。(経過措置 令和7年9月30日まで)
(6)マイナンバーカードの健康保険証利用の使用について、実績を一定程度有していること。(令和6年10月1日から適用)
(7)医療DX推進の体制に関する事項及び質の高い診療を実施するための十分な情報を取得し、及び活用して診療を行うことについて、当該保険医
療機関の見やすい場所及びウェブサイト等に掲示していること。
(8)電磁的記録による調剤録及び薬剤服用歴の管理の体制を有していること。
として、新設された加算です。
オンライン資格確認ができる環境にある調剤薬局では、多くの薬局がこの加算を算定していると思います。
月に1回、4点ですが、処方箋受付枚数が1000枚の薬局であれば、月に40,000円の収入なので、侮ることはできません。
何を忘れているのか?
上記でも、分かるように、いくつか経過措置があります。
その中で、マイナンバーカートに関する経過措置が9月で終了します。
つまり、10月からは、マイナンバーカードの利用状況に応じて点数が変わることになりました。
ね。忘れていたでしょ?
点数がこう変わる
まず、マイナンバーカードの利用率が以下の基準になります。

これにより加算1~3が決まるので、それに応じて
- 医療DX推進体制整備加算1 7点
- 医療DX推進体制整備加算2 6点
- 医療DX推進体制整備加算3 4点
となり、加算3以下の場合は、算定基準を見てしていないので、算定できないことになります。
つまり、医療DX推進体制整備加算を継続して算定していくためには、少なくとも10月までに利用率を5%以上にしなければなりません。
マイナンバーカードの利用率の計算方法
そのためには、マイナンバーカードの利用率を計算しなければならないのですが、2025年1月までは2通りの計算方法で計算して、どちらか高いほうを採用することができます。
計算方法1(レセプト件数ベース利用率)
マイナ保険証の利用者数の合計 ÷ レセプト枚数
で計算され、実はこの数字は、毎月、支払基金からメールで通知されています。
見たことがある方もいるのではないでしょうか。
計算方法2(オンライン資格確認件数ベース利用率)
マイナ保険証の利用件数 ÷ オンライン資格確認等システムの利用件数
こちらの数字はメールでは来ていませんが、今後は送られてくるようです。
対象月
計算対象となる月は、それぞれで決まっていて、以下のようになります。

どちらか高いほうでいけるので、あなたの薬局に応じて選んでみるといいのですが、いずれにしろ5%以上にならないといけないので、マイナンバーカードの利用促進を行わないとならないですね。
まとめ
医療DX推進体制整備加算を取っている薬局は、これからはマイナンバーカードの利用推進を進めないといけません。
そうしないとせっかく算定できていた加算が取れなくなってしまいます。
10月適用分は、すでに期間が来てしまっていますが、オンライン資格確認件数ベースであれば8月分に間に合う可能性が高いので、この8月後半でどこまで推進できるか、がポイントになるでしょう。
以前の記事でも医療情報取得加算の見直しが行われるということを伝えましたが、これまで取れていた加算が取れなくなるケースも出てくるかと思います。
そうした場合に、「取れなくなっちゃった。仕方ないね」で終わるのか、それとも「取れるように体制を作っていこう」となるのかで、薬局の経営は変わってきます。
仕方ないねではなく、積極的に体制を作っていくようにして、薬局の安定経営を目指していただくのが一番いいのですが、自分たちだけの力では時間的にも仕事量的にも厳しいということもあるでしょう。
そうした薬局のために、薬局開設センター千葉では、加算算定の支援を行うサービスを計画しています。
近日中に公開する予定ですが、それまで待てないという方・どんなものか早く知りたいという方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

お問い合わせ
薬局開設や薬局運営に関するご相談やご依頼、ご質問などは、メールで受け付けております。
お気軽にお問い合わせください