薬局開くには、薬剤師じゃないといけませんか?

薬剤師じゃないけど、薬局やってみたいって人もいますよね。

高校生くらいで薬剤師になりたいって思った人は、薬学部へ進学するという手段があるので、薬局に携わることができますが、社会人になってから仕事を通じて薬局に関心を持った場合には、今更薬学部へ行きなおして、薬剤師になるという選択肢を取れる人は、そう多くありません。

でも、薬局を開きたい。
そう思ったときに、調剤薬局を開くとき、薬剤師じゃないとダメでしょうか?

条文を確認してみると

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(いわゆる薬機法)に、明確な規定は書かれていないのですが、こんな条文があります。

(薬局の管理)
第七条 薬局開設者が薬剤師(薬剤師法第八条の二第一項の規定による厚生労働大臣の命令を受けた者にあつては、同条第二項の規定による登録を受けた者に限る。以下この項及び次項、第二十八条第二項、第三十一条の二第二項、第三十五条第一項並びに第四十五条において同じ。)であるときは、自らその薬局を実地に管理しなければならない。ただし、その薬局において薬事に関する実務に従事する他の薬剤師のうちから薬局の管理者を指定してその薬局を実地に管理させるときは、この限りでない。
2 薬局開設者が薬剤師でないときは、その薬局において薬事に関する実務に従事する薬剤師のうちから薬局の管理者を指定してその薬局を実地に管理させなければならない。
3 薬局の管理者は、次条第一項及び第二項に規定する義務並びに同条第三項に規定する厚生労働省令で定める業務を遂行し、並びに同項に規定する厚生労働省令で定める事項を遵守するために必要な能力及び経験を有する者でなければならない。
4 薬局の管理者(第一項の規定により薬局を実地に管理する薬局開設者を含む。次条第一項及び第三項において同じ。)は、その薬局以外の場所で業として薬局の管理その他薬事に関する実務に従事する者であつてはならない。ただし、その薬局の所在地の都道府県知事の許可を受けたときは、この限りでない。

この第7条の2項に「薬局開設者が薬剤師ないときは」という記述があります。
つまり、薬機法では、開設者が薬剤師ではない場合を想定しているってこと。

だから、薬剤師では無くても薬局を開くことができます。

ただし、薬局開設者にはなれますが、投薬や医薬品の販売ができるわけではありません。
そうした薬に関する業務は、薬剤師を雇ってやらせないといけないことになっています。

つまり、あなたが薬剤師でないけれど薬局を開きたいってことであれば、薬剤師を雇って管理をさせるという方法で薬局を開くことができるわけです。

薬局の業務

薬剤師ではない人が薬局に携わるって、具体的にはどんな業務があるのでしょうか。

実際、薬局の業務って、薬を渡すということ以外にも多くの事があります。

調剤薬局で考えると

  • 処方箋の受付
  • 処方内容をパソコンで入力
  • 処方された薬を集める
  • 投薬
  • 会計

というのが主な流れですが、投薬以外のことは薬剤師でなくても出来るようになっています。
(薬を集めるのは、薬剤師の指導・管理の元でという条件付きですが)

それ以外にも、調剤報酬の請求や普通の会社でもあるような事務作業、在庫品の発注などは薬剤師でなくてもいいので、そうした業務をすることができます。

そんな普通の仕事じゃつまらない

って感じる人もいるかもしれませんが、そうした仕事でも薬局経営には重要な仕事ですし、患者さんとコミュニケーションを取ることができますので、やりがいを感じることは可能と思います。

どうしても投薬して患者さんに薬のアドバイスをしたいということであれば、薬剤師免許を取ってもらうしかありませんね。

あとは、登録販売者の資格を取得すれば、限定されますがOTCと言われる一般医薬品の販売を通じて患者さんに接することができます。

まとめ

薬剤師免許が無くても、薬局を開設することは出来ますが薬剤師を雇用する必要があります。

薬局の運営には数多くの業務があるので、薬剤師でないからと言って必要とされないわけではありません。

登録販売者の資格を取ることで、一部ではありますが薬のアドバイスをすることができるようになります。

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